「但馬ふるさと特派員」(兵庫県豊岡市) | |
「但馬ふるさと特派員」は、人口の減少に悩む但馬地域に、多くの人たちに来てもらおうという同じ志を持つ、いわゆる第二の人生を歩んでいる人たちで結成されたもので、自然・歴史文化・観光・伝統芸能など幅広い分野で但馬の良いところ(魅力)をボランティアで取材してほぼ毎日ブログを通じて全国に発信するなど、「地域づくり」の最前線で頑張っています。 結成から8年、特派員の高齢化という課題を抱えながら、新しい戦力をいかに増やし、いかに工夫して但馬の良さを全国に向けて発信しようとしているのか、こうした点に「Oh! 元気 ねっと」は、注目しています。 「但馬ふるさと特派員」を紹介する前に、但馬地域とは兵庫県のどのエリアを指すのか確認しておきましょう。 |
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「但馬地域はどこにあるの? | |
「日本海と城崎温泉街(右下)」 |
▽「但馬地域」 |
但馬地域は、兵庫県の北部の豊岡市(とよおか)、朝来市(あさご)、養父市(やぶ)の3つの市、それに香美町(かみ)と新温泉町(しんおんせん)の2つの町のあわせて5市町を含む地域です。北は日本海に面していて、面積は東京都とほぼ同じ、人口は18万人。中心の都市は豊岡市です。 |
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「コウノトリ」 |
▽「但馬の良さPRに”但馬ふるさと特派員”」 |
この但馬地域でも人口の減少が憂慮されています。それだけに但馬の良いところをPRして、多くの人々に観光などで但馬に来てもらいたいということが住民の願です。 但馬の良いところはたくさんあります。絶滅したコウノトリを人工飼育から野生への復帰を成し遂げた「コウノトリの郷」であること。日本海の海岸一帯で見られる数多くの奇岩など地形の面白さを残す「山陰海岸ジオパーク」、それに数多くの伝統文化や旧城跡など遺跡もあり、多くの魅力が残されたところです。 こうした但馬の良さを伝える、その一翼を担っているのが「但馬ふるさと特派員」です。 |
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但馬ふるさと特派員の結成と情報発信・・・? | |
「但馬ふるさとづくり協会」 |
▽「但馬ふるさと特派員」の結成 |
豊岡市には、但馬地域の5つの市町で構成し、文化・歴史・観光などあらゆる分野の情報をまとめて紹介・PRしている、公益財団法人「但馬ふるさとづくり協会」の事務局があり、協会では新しい但馬づくりを担う人材を育成する事業として、「但馬ふるさとづくり大学」を毎年、開講しています。 平成17年度に大学を受講し、そのゼミで『ITを活用した21世紀の但馬づくり~インターネットを使った”但馬放送局”をつくり、われわれが特派員となって、快適・便利・愉快な但馬を情報発信する~』というテーマに挑んだ人たちの中で、「特派員となって但馬のことをもっと広くPRして行く必要がある」という同じ思いを抱いた有志の人たちが、「但馬ふるさと特派員」を結成しました。 |
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「ふるさと特派員ブログ」の画面 |
▽「但馬ふるさと特派員」の情報発信 |
翌平成18年の元日から、取材した写真と記事を、但馬ふるさとづくり協会のホームページの”どこよりも早く旬の情報発信”をキャッチフレーズにしている「但馬情報特急」のブログ「但馬ふるさと特派員」で情報発信を始めました。 |
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「勢ぞろいした特派員のメンバー」 |
▽「特派員のメンバー」 |
メンバーは、現在13人、うち女性は5人です。 情報の発信は、協会事務局職員2人も加わって15人で行っています。特派員の多くは、第一線を退き、第二の人生を歩んでいる人たちです。「愉快な但馬」の情報発信をキャッチフレーズに、郷土但馬のPRに向けて、皆ボランティアで取材活動を行い、「旬」の情報の発信を心がけています。仲間同士は、ニックネームで呼び合い、連絡は、すべてメンバー全員が情報を共有できるグループメールです。例会は年に2回。貴重な顔合わせですので、場所もその時々によって様々。互いに意見交換などをして、レベルアップを図っています。 |
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但馬ふるさと特派員の強み・・・! | |
「但馬ふるさと特派員」の強みは、メンバーが但馬地域の広い範囲に分散していることです。それによって、但馬の魅力情報が幅広く出されています。 特派員のみなさんが取材した写真とコメントで、「但馬の魅力を」伝えてもらいましょう。(原文) |
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「人工巣塔で子育て中の親鳥」 |
▲コウノトリ |
▽「子育てに懸命なコウノトリ」 特派員コメント: 「豊岡市野上の人工巣塔のコウノトリです。 親鳥にエサをもらっているヒナですが、巣立ったあとは、 ヒナから幼鳥へと呼び名が変わります。 なんだか微笑ましいですね。」 |
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山陰海岸ジオパーク「かえる島」 山陰海岸ジオパーク「曹長岩」 |
▲「山陰海岸ジオパーク・スポット」 |
☚▽「かえる島その鼻先の光は?」 特派員コメント: 「山陰海岸ジオスポットのひとつ、香美町香住区の「今子浦」の花ユウスゲと夕日を見に「大引の鼻展望台」へ行ってきました。 夕闇せまるかえるのような岩のその鼻先に光っているのは??? イカ釣り漁船の出港です。(*集魚灯の灯り) ☚▽「香住海岸海開き」 特派員コメント: 「香美町香住区の七つの海水浴場の安全祈願神事が行われました。今年(2013年)のメイン会場は、柴山海水浴場です。 その後、姉妹船かすみ丸に乗船して海から他の海水浴場の安全祈願をします。海からジオパーク海岸の景観ーその中から”曹長岩”です。」 |
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「竹田城跡(画像右中)の雲海」 「郷路岳林道からの 雲海」 |
▲「但馬の雲海」 |
☚▽「天空の城・竹田城跡の雲海」 特派員コメント: 「11月6日(2013年)の早朝、但馬地方に濃霧注意報発表、昨夜の放射冷却で冷えこみ、雲海発生の好条件です。藤和峠から見た、雲海に浮かぶ竹田城跡です。」 (朝来市和田山町) ☚▽「郷路岳林道からの雲海」 特派員コメント: 「9月18日(2013年)、秋に入ったばかりの雲海。少し薄めですが、流れる大河のごとく。台風一過爽やかな秋晴れの、あまり知られていない豊岡市但東町の郷路岳林道からの雲海です。」 |
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「蘇武岳 」 | ▲「山」 |
☚▽「植村直己が愛した山”蘇武岳”」 特派員コメント: 「ふるさと兵庫100山で”冒険家植村直己が愛した山”と紹介されている標高1074mの山です。その山頂は2m近い積雪でした。登山道は、樹氷と霧氷のオンパレード。中腹には、ブナの林立する”万場の谷”があります。 (豊岡市日高町・香美町村岡区) |
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「落差98mの”天滝”」 | ▲「滝」 |
☚▽「怒涛のごとく・・・落差98mの”天滝”」 特派員コメント: 「整備された約1.2キロの渓流沿いの山道を約40分登りきると、天から降るかのような落差98mの”天滝”。日本の滝100選の名瀑です。(養父市大屋町) |
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「城崎温泉の夜桜」 「百手の儀式」 「山陰のグルメ王者・松葉ガニ」 |
▲「温泉・イベント・食」 |
(温泉) ☚ ▽「城崎温泉の夜桜」(豊岡市城崎町) 特派員コメント: 「城崎温泉の夜桜を見に行ってきました。たくさんの人たちやカメラを据えた人たちで賑わっていました。城崎温泉は1400年にコウノトリが湯浴みしたことで発見され、高僧道智上人によって開かれたとされています。七つの外湯を回る「外湯めぐり」に人気があります。」 (イベント) ☚▽「百手の儀式」(香美町香住区) 特派員コメント: 「但馬には、古くから平家の落人の里と言い伝えられている集落がいくつかあります。香美町香住区の御崎集落もその一つ。平家再興のための儀式”百手の儀式”が今も引き継がれて、毎年1月 28日に行われています。 (食) ☚▽「松葉ガニ解禁」(新温泉町浜坂) 特派員コメント: 「山陰のグルメ王者”松葉ガニ”漁が解禁となりました。全国有数の水揚げを誇る浜坂港、昨夜出航した底引き漁船が初水揚げをし、港は一気に活気づきます。カニは鮮度が大切、今は活きカニが主流で勿論”浜坂港のタグ付き”です。」 |
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特派員の活躍でPR成果! | |
特派員が取材して発信した但馬地域の魅力情報を見てもらいましたが、これらの情報は、特派員のメンバーが日ごろの研鑚を重ねてきたことによるものといえます。 このように情報発信してきた成果は、ブログを見てくれている人の数を見るとすぐわかります。一本のブログで、発信したその日のうちに全国の数百人の人たちが見てくれるケースもたびたびあり、特派員のメンバーたちは、その都度、手ごたえを感じ、発信を続けてきてよかったと嬉しさをかみしめています。 |
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「下雅意 満さん(左)と中谷 席次さん(右)」 | ▽「メンバーにインタビュー」 |
△メンバー・・・「下雅意 満さん」(しもやん) 「情報発信により自分の取材の結果が分かるので・・・手ごたえがあった時は本当にやり続けて良かったと満足感を味わっています。私自身、自分の住んでいる地域を見直すきっかけともなりました。今後も皆と総力を挙げて、素晴らしい但馬を紹介して行きたい」 △リーダー・・・「中谷 席次さん」(せきやん) 「綺麗!おいしい!楽しい!但馬の四季めぐり。自分たちのこの思いを但馬内外の人たちに伝えたい、そんな気持ちから始まったこの活動です。今但馬は、山陰海岸ジオパーク2期目をめざしています。また、平成26年は”但馬理想の都の祭典”20周年の節目です。我々特派員は但馬のこの大きな動きに合わせて、但馬力の向上と新たな地域資源の発見を目指します。我々も楽しみながら・・・は言うまでもありません。」 |
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特派員のメンバーの但馬の情報発信続けようという意気込みは、素晴らしいものが感じられました。しかし、今後、長い目で見ていくときに、高齢化による特派員の後継者をどうするか、情報発信のあり方は今のままでよいのかなど、課題も見えてきます。 | |
「但馬ふるさとづくり協会」 事務局主任 中田 啓之さん | |
「特派員の高齢化による後継者をどうするかという課題ですが、協会が実施する事業での呼びかけや各市町と情報交換をする中で、特派員活動の魅力を広く発信し、まずは、「但馬ふるさと特派員」を知ってもらうところから地道に取り組んでいきたいと考えています。 但馬ふるさと特派員グループは、但馬の情報発信にはなくてはならない存在です。但馬の隅から隅まで熟知された英知集団である特派員のみなさんが活動しやすいようにサポートするのが事務局の役割ですが、一緒に活動に参加させていただくことで、但馬の奥深さ、広大さ、すばらしさを知ることができています。自分が楽しくなければ、但馬の楽しさ、すばらしさは伝えることができない!をモットーに活動されているこのグループがこれからも活動し続けていけるよう精いっぱい関わっていきます。」 |
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「Oh! 元気 ねっと」の注目点 | |
私が但馬地域を訪問したのは、2013年11月下旬のことです。ボランティアで活動されているという但馬ふるさと特派員のメンバーとお会いしましたが、但馬地域のことを全国に発信しようと、皆活気にあふれ、苦労を惜しまず、楽しく取材活動をされているところを目の当たりにし、感動を覚えました。「Oh! 元気 ねっと」では、「特派員の情報発信のあり方」、「後継者の対策」について注目していきたいと思います。 |
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「コウノトリを取材する特派員」(豊岡市) |
▲注目点Ⅰ「全国に向けて情報発信する」 |
情報発信には、取材した日付、場所、それに伝えたい魅力を明記することが大切です。但馬地域に、全国から多くの人々を呼びたいと考えるなら、最低限必要な要件ですがつい忘れがちになる時があります。 いつも全国に向けて発信をしているという意識を持って、コメントを書く際に・・・例えば撮影場所を「豊岡市但東町」などと市町村名を入れることを心がけてくれれば助かります。そして日付も。 但馬の情報は、面白いものが多いので、自信を持って全国に発信してほしいです。 |
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「養父神社の紅葉」(養父市) |
▲注目点Ⅱ「特派員同士が一つのネタで連携」 |
但馬地域は、エリアが広く、北と南、それに平地と山間部では、気象や気温なども異なっていて、季節の移り変わりが大きいところです。例えば但馬には、「紅葉」や「桜」の名所が多くありますが、紅葉の始まりも、桜の咲き方も、早いところと遅いところが出てきます。「紅葉」や「桜」など何か一つの共通のネタで、各地におられる特派員の連携できるところがあれば、但馬に来られる人たちにとって、良い情報となる可能性があります。 「紅葉」の発信ということで考えてみると、「各地の紅葉情報(何月何日現在)」という形で発信できます。 |
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「竹田城跡を訪れた人々」(朝来市) |
▲注目点Ⅲ「郷土の財産を守る発信を続ける」 |
増え続ける観光客で朝来市和田山にある「天空の城・竹田城跡」が荒廃しつつあるという情報がブログで発信された。城の石垣の一部が崩れて危険なため通行止めになったなどの状況が分かりやすく伝えられた。その後、朝来市が入場料を徴収するという情報も発信された。こうした発信は重要で皆が考える課題です。この城は、但馬にとって大きな財産です。多くの人が訪れてくれるのは良いことですが、城をどう守り、如何にしてお客さんを受け入れていくのか、「保護と利用」をどうバランスをとっていくのか、今後の特派員の現地からの発信を見守っていきたいと思います。 | |
▲注目点Ⅳ「特派員の後継者対策」 | |
特派員のメンバーの活躍は、これまで述べきましたように目覚ましいものがありました。特派員は皆活気にあふれ、但馬の情報発信のために日夜活動しています。 こうした中で、特派員の中でも高齢化による後継者対策が課題となっています。事務局の「但馬ふるさとづくり協会」でも、協会が実施する事業などの際に、特派員のPRなどしていますが進んでいないのが現状のようです。但馬には、高校生や一般の人の中にも、郷土の良さを発信している方も多いと思います。こうした人たちと特派員の人たちが参加できる「但馬はここが魅力だ!」などのイベントを企画し、臨時特派員という形もありますが、「但馬の良さ」を発信する特派員の助っ人を是非とも前向きで採用できる態勢はとれないものか、皆で考えてほしいと思う次第です。 |
問い合わせ |
「但馬ふるさと特派員」 (公益財団法人 但馬ふるさとづくり協会内) 〒668-0044 兵庫県豊岡市山王町11-28 TEL:0796-24-2247 最新情報満載! 但馬ふるさと特派員ブログは「コチラ」から 但馬ふるさとづくり協会HPは「コチラ」 |