■霧多布湿原(浜中町)
■魅力
霧多布湿原は、「国内最大級の花の湿原」として知られています。
湿原では、4月の下旬、純白の苞(ほう)がシンボルの「水芭蕉」から花の季節が始まります。そして9月の「エゾリンドウ」まで、切れ目なく花々が自分の受け持ち時期を待っていたかのように「私の姿を見てください!」といわんばかりに次々に花を咲かせ、それぞれに最大限に輝くパフォーマンス見せるなど、「見どころいっぱい!」の湿原です。
▼見どころ① 「色変わりする湿原」
霧多布湿原の特徴は、花の咲く時期によって、湿原全体の色が次々に代わって行くことが顕著にみられることです。
主な花を見ていきましょう!
「ワタスゲ」
「ワタスゲ」は、早春に草花の葉の陰などでひっそりと、目立たない黄色の小さな花を咲かせます。
ところが、「実」である白い穂を膨らませる6月下旬になりますと「一変!」
ワタスゲの花
湿原を白一色に塗りつぶします。
湿原の「魔術師!「ワタスゲ」
「湿原の魔術師!」といいますとオーバーな表現といわれるかもしれませんが、「どこかの時点で自分の存在感を!」といわんばかりの輝きを見せてくれます。
このように湿原では、植物が「花」から最後の「実」へと変化する興味深い動きを観察することができ、この花は「花の色や形」で輝くのか、あるいは「実」になってから輝をみせるのかなど、花がどんなマジックを使うのかに興味がわく瞬間です。
「エゾカンゾウ」
「エゾカンゾウ」が咲き出す7月上旬になりますと、湿原内は橙色一色に色変わりし、訪れる多くの人を感動させます。自然を愛する浜中町の子どもたちの人気投票では、「エゾカンゾウ」が咲き出した時期が一番人気。その素晴らしさが想像できます。湿原に足を運んで、この目で確かめてみたくなります!
湿原の一番人気 燃える「エゾカンゾウ」
「ヒオウギアヤメ」・「ノハナショウブ」
「ヒオウギアヤメ」(7月上旬)、「ノハナショウブ」(7月中旬)、も「エゾカンゾウ」と前後して、それぞれ湿原を紫色に飾って、私たちに強烈にアピールします。浜中町の大人の中には、「ノハナショウブ」の方が好きだという人も少なくありません。
湿原をそめる「ヒオウギアヤメ」
大人に人気の「ノハナショウブ」
▼見どころ② 「話題性のある植物が自生」
「ヤチボウズ」
「ヤチボウズ」は湿原の植物の中の人気者。春先は丸坊主頭の状態ですが、坊主頭に草が生えて長く伸び、草ぼうぼうに見える姿が愛嬌があるとして人気者です。
湿原の人気者「ヤチボウズ」
湿原を訪れて、その姿を見ますと誰もが「ニコッ!」として納得します。
チョッと遊び心で・・・人気倍増!
「クシロハナシノブ」
「クシロハナシノブ」(6月中旬~7月中旬)は、氷河期からの生き残りという貴重な種類です。淡い青紫色の素朴さを感じさせる花を咲かせます。長い間、花を咲かせてくれてありがとう!・・・、感謝の気持ちとして声を掛けたくなる霧多布湿原でなくてはならない花です。
湿原で咲き続ける「クシロハナシノブ」
「ハクサンチドリ」
「ハクサンチドリ」(6月中旬~7月上旬)は、本州では高山に咲く花です。霧多布湿原では、山に登らなくても、足元で見付けることができます。本州から湿原にやってきた人たちの多くは、平地でやさしく咲く、花の存在に驚きます。これは、発生する「霧」で湿原の気温が低下することによる影響で、高山と同じ気象条件になり、「ハクサンチドリ」が咲くということです。
湿原で咲く「ハクサンチドリ」
▼見どころ③ 「自然観察に一工夫」
広い湿原内には、観察のための4つの木道が設けられています。このうち最長のものは700m、短いもので150m、このほか500mのものが2本あります。4つの木道は、それぞれ違った角度から自然観察ができるように工夫されています。
動植物観察のため設置の「木道」
花々が最高のパフォーマンスで美しく咲いて輝いているところを間近で観察することができます。植物は子孫を残すために、花粉を運んでくれる虫たちを呼び込もうと最大限目立つように着飾って見せてくれます。こうした状態を目の前でしっかりと観察できます。
花々も着飾って昆虫たちにアピール
湿原には葦やススキなどが生えていて湿原の外側から動植物の観察が難しいこともありますが・・・これが鳥たちにとっては格好の隠れ蓑です。
鳥たちを隠す湿原の「葦やススキ」
そこで木道を利用しますと、花々を間近で観察できるばかりでなく、特別天然記念物のタンチョウをはじめハクチョウなどの姿を比較的近くで見ることができるチャンスがしばしば訪れます。
霧多布湿原の魅力+(プラス)
霧多布湿原は花の湿原が魅力ですがそのほかに見逃してはいけないのは夕日と朝日で数々のドラマが繰り広げられます。
▼湿原の落日
花の季節が終わるころ、湿原では新しいドラマの始まりに気が付きます。それは穂を垂れはじめ、風に揺れるススキ、それに湿原に沈んでゆく夕日とのコラボです。落日までの数時間にわたって繰り広げられる夕日がススキにあたってススキが黄金色に輝く様子は、訪れた人々をひきつけます。この様子を撮影しようとする人は、冷たい風が湿原を吹きぬける中でも、凍える手に息を吹きかけながら、刻々と変化してゆくドラマを見逃さないようにとシャッターを切ります。
霧多布湿原の夕日
夕日を浴びて黄金色に光る
湿原の木道と夕日
▼湿原の朝日は「初日の出」で!
朝日は太平洋から昇り、湿原をはじめ、市街地を照らします。昇る朝日もパワフルで見事です。朝日は、平坦な湿原全体を照らしますので、その後背の丘陵にある「霧多布湿原センター」のガラス張りの展望ホールからは真正面に赤く燃え上がる太陽が上がって来るのが見えます。
そこで、湿原センターでは、新しい年を迎える恒例のイベントとして、外の寒さをよそに暖かい展望ホールから初日の出を見てもらおうと「あったか初日の出」を行っています。初日の出を見た後は、もちつきをしたり、ゲームなどをして、みんなで新年を楽しむことにしています。
海から昇る「初日の出」
・霧多布湿原の各種情報を提供
▼霧多布湿原の利用などについての情報を知りたい!
①湿原のことについて詳しく聞きたい
②湿原の「花情報」を知りたい。
③湿原内を案内してもらいたい。
④湿原内での体験プログラムを知りたい。
以上のことについてのお問い合わせ先は下記のとおりです。
■お問い合わせ先は
▼「霧多布湿原センター」 HPは「こちら」
TEL:0153-65-2779
FAX:0153-65-2774
住所:〒088-1304
北海道浜中町四番沢20番地
▼「NPO法人霧多布ナショナルトラスト」(霧多布湿原センターの母体)
TEL:0153-62-4600
FAX:0153-62-4700
HP:「こちら」
▼霧多布湿原センターについて
霧多布湿原センターは母体の「NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト」の管理施設。
浜中町から業務委託を受けて湿原内の案内やPRなどを行う「ビジターセンター」の役割を担っています。センターは、鉄筋コンクリート2階建てで、2階の部分には湿原を一望できるガラス張りの展望室があります。職員6人が常駐、訪れた人々の様々な要望を聞き、湿原内の案内をしたり、センター独自でイベントを開くほか、軽食レストランや地元の特産品コーナー、子供たちのための木製の遊具なども備えていて、町の中核施設として活動しています。
湿原の情報提供!「霧多布湿原センター」